2020年02月12日

美薗地域取材 03中山智香さん/豊月堂


その日のうちに食べる朝生菓子

美薗地域取材 03中山智香さん/豊月堂

美薗中央公園のすぐ西側にある、昭和38年に創業した和菓子処「豊月堂」。5月になると柏餅を目当てに、多いときには1日400人以上が来店し、お昼までに3000個が完売してしまう人気店です。地元をはじめ、磐田市や袋井市、湖西市だけでなく、東京や名古屋など、遠方にもファンは多いそう。お手製のどら焼きとお茶をいただきながら、和菓子作りについてお話を伺いました。

美薗地域取材 03中山智香さん/豊月堂
▲歴史ある店の看板

創業から変わらない手作りの味

柏餅は、高級和菓子で使われる北海道産の大納言小豆、高知の天然塩である土佐の塩丸、氷砂糖を砕いた純度の高い白双糖(しろざらとう)から作るあんこを、昔ながらの餅つき機でついたお餅で包み、1枚1枚手洗いした柏の葉を巻いて作っています。厳選した上質な素材を一つひとつ手作業で、先代から受け継いだ味を大切にして作ってきたからこそ、今日までお店を続けることができたと思います。

美薗地域取材 03中山智香さん/豊月堂
▲名物の柏餅

柏餅やどら焼き、大福といった通年で提供している和菓子以外にも、春のお彼岸になるとおはぎや桜餅、夏はあんみつやわらびもち、かき氷、秋には栗ようかんやぼた餅など、季節ごとの和菓子を作っています。作ったその日のうちに食べる和菓子を、朝生菓子というのですが、うちは60年近く、朝生菓子を作り続けています。

美薗地域取材 03中山智香さん/豊月堂
▲常連さんも多く、柏餅が十個単位で売れている


日持ちすることが、不自然

うちの商品は、和菓子や洋菓子などに広く使われているトレハロースといった添加物や保存料を一切使っていないから、日持ちしないんです。例えば、餃子を食べたとき、後味で甘みが残ることありますよね。甘くて美味しいと思うかもしれませんが、あれがトレハロースなんです(笑)。うちのあんこを食べると、変な粘っこさはないですし、素材が持つ自然な甘さを感じられると思います。

美薗地域取材 03中山智香さん/豊月堂
▲後味さっぱりのどら焼き

そもそも食べものが何日も、何週間も日持ちすること自体、不自然だと思います。昔の人は口に入れてみて、それが食べてOKかNGか判断できました。でも、今の人って賞味期限や消費期限を頼りにしているから、味覚で判断することができなくなってしまった気がします。

美薗地域取材 03中山智香さん/豊月堂
▲もちもちのみたらし団子

40年ほど前は、この通り沿いに八百屋や小鳥屋、仕立屋、理髪店、本屋、文具店、お肉屋さんなど、個人商店がいくつも並んでいました。親がお店で忙しかったので、毎日、八百屋さんでお惣菜を買って食べていたことをよく覚えています。八百屋さんに育ててもらったようなものですね(笑)。
商店街で夏祭りを開催していた時代もありました。浜北はお菓子屋さんも多く、当時は20軒くらいあったと思います。今はお店も減って、ずいぶんさびしくなってしまいました。

美薗中央公園には小さな子ども連れのお母さんもよく来ているから、秋頃は店も一段落になるので、イベントとかあれば公園でお団子を売るのも良いですね。そのとき、子育てしているお母さんへ、健康食に関連した話をして意識を高めてもらうのも面白いと思います。体は食べたものでできている訳ですから、豊月堂がずっと大事にしてきたことも伝えていけたらいいですね。

美薗地域取材 03中山智香さん/豊月堂

●活動情報
豊月堂

住所/浜松市浜北区貴布祢511
営業時間/9:00~売り切れ次第終了
定休日/不定休 ※臨時休業があるため事前にご確認ください
電話/053-586-3834
駐車場/有(9台程度)

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